2013年12月5日木曜日

Vox で正常に音が出ない場合の対処法

Vox はシンプルかつ高音質なプレーヤーでありながら、Mac App Store で無償で配布されている有難い存在ですが(→ 過去の紹介記事 )、音が割れて正常に再生できないというトラブルに見舞われました。

確認できた症状は、
  1. 外付けオーディオデバイス ( Focusrite Forte ) を出力先に選んだ場合、左チャンネルだけ音が出るが、異常に音量が大きく歪みまくる。
  2. サンプリングレートの自動切換え、Hog モードのON/OFF、物理メモリへのロードの有無に関わらず発生する。
  3. 内蔵オーディオを出力先に選んだ場合は、この症状は起こらない。
  4. いったん内蔵オーディオを選択中に再生し、そのまま Forte に切り替えると問題なく再生できるが、曲が変わると「1」に戻る。
というものでした。Vox が Forte のドライバと相性が悪いのかとも思って、ちょうど新しいドライバが出ていたのでアップデートしましたが、変化はありませんでした。Mac App Store のレビューを見ていると、OS 10.9 Mavericks では QT Plug-in が落ちるケースがあるようですが、現在は OS 10.8.5 を利用しているので、これも関係なさそうです。

いろいろ悩んだのですが、Vox の設定画面で気になったのが、"Audio" 設定の出力先として "Forte. / 4ch. / 0 layout ch." と表記されていた点です。結論から言うと、これが原因だったようです。下の画像は、問題改善後のもので、"Forte. / 4ch. / 2 layout ch." となっています。

ちなみに、内蔵オーディオの場合は "Built-in Output. / 2ch." となっていて、"layout ch." という部分が存在しません。ここが問題の核心であろうと睨みました。

デバイスの出力先のレイアウトとなると、思い当たるのは "Audio MIDI Setup.app"(日本語環境では「オーディオ MIDI 設定.app」)です。OS 10.8 Mountain Lion の場合、オーディオ設定はこのような表示になっています。

問題の起こっているデバイス(今回は Forte )を選択して、左下の歯車マークをクリックするか、デバイス名の上で右クリックすると、このような選択肢が表れます。

"Configure speakers..." を選択すると、このようなペインが出てきます。

"Stereo" の方は問題ないはずですが、"Multichannel" が今回のターゲットです。右のプルダウンから "Stereo" を選び、下の "left front" と "right front" でデバイスの出力を選びます。内蔵オーディオも含めて、最初は " - " となっていて未設定になっている可能性が高いです。

ここで出力先を指定したところ、上で書いたように Vox の出力先の表記が "Forte. / 4ch. / 0 layout ch." から "Forte. / 4ch. / 2 layout ch."に変わり、問題の症状は発生しなくなりました。

Vox の正確な動作が分からないのですが、どうもマルチチャンネルを扱える関係上、「オーディオ MIDI 設定.app」の「ステレオ」の方ではなく、「マルチチャンネル」の方を参照しているようです。このため、出力先がステレオより多いデバイスの場合、未設定では支障があるのでしょう。

この「マルチチャンネル」という設定パネルは非常に優れもので、たとえば6チャンネル以上の出力があるオーディオデバイスを使えば、5.1チャンネルサラウンドなども任意の割当てで出力できるようになります。Mac OS X の Core Audio の多機能ぶりには感心しますが、今回はそれがアダになったようです。

2013年11月28日木曜日

2013年版 Macで使えるオーディオアナライザソフト

2007年の記事「Macで使えるオーディオ・アナライザ・ソフト」を数回に渡って更新してきましたが、内容が雑多になったのと、試用したり、新しく見つけたソフトもいくつかあるので、2013年版としてまとめ直します。

あくまで素人レベルなので、方針としては、
  1. 無料で使えるもの
  2. 有料でも Mac App Store で販売されているなど入手が容易なもの
  3. ある程度機能が揃っていて、調整が簡単なもの
  4. 開発が継続されているもの
を目安に探します。

Sonic Visualizer

  • ロンドン大学クイーン・メアリーのデジタルミュージックセンターが開発している音響解析ソフト。研究機関レベルで開発されているので、信頼性が高いです。
  • 無償ソフト(オープンソース:GPLv2)です。
  • 音声ファイルの解析のみに対応しています。
  • 対応ファイル形式は WAVE、Ogg、MP3 です。
  • 解析ツールは、波形表示FFTスペクトログラムです。これらのツールは自由に組み合わせることができ、たとえば波形とスペクトログラムを上下に並べたり、スペクトログラムと FFT を見比べて経時的変化と瞬間的な周波数分布を観察するといったことが可能です。
  • レイヤー表示に対応しており、これらのツールを重ね合わせて表示することも可能です。
  • 波形やグラフ、グリッドの色を変えられます。
  • ラベルマーカーを書き込むことができます。
  • プレーヤー機能を備えており、音を聞きながら視覚的に把握することができます。
  • これらの特徴から、リアルタイムに音を観察するより、録音物をじっくりと仔細に研究する用途に向いています。
  • 利用できるプラグインは、Vamp、LADPSA、DSSI と、あまり一般的ではないものです。VST はライセンスの問題で原則不可(Audacity VST Enabler を介して部分的に利用可能)、Audio Unit は今後のアップデートで対応したいとのこと。
  • Mac 版のほか、Windows 版、Linux 版もあります。

LARA

  • ルツェルン音楽大学で開発されている音響解析ソフト。
  • 無償ソフト(オープンソース:GPLv3)です。
  • マクロを組めるなど意欲的に開発されているようですが、パッケージ形式で配布されているのと、インストール時に /Users/Shared 以下に色々配置するようなので、試用はしていません。

Blue Cat's FreqAnalyst

  • Blue Cat's Freeware Plug-ins Pack II に含まれる FFT プラグイン。
  • 無償ソフトです。プラグインメーカーの宣伝用ですが、ユーザ登録や無償ライセンスキーの申請は不要で、ダウンロードするだけで使えます。
  • 形式は Audio Unit や VST だけでなく、RTAS や AAX にも対応するなど、かなり本格的です。
  • プラグインなので単体では動作せず、ホストとなるソフト(具体的には DAW など)が必要です。Audacity では利用できません。
  • Mac 版のほか、Windows 版もあります。

Voxengo SPAN

  • FFT プラグイン。
  • 無償ソフトです。こちらもプラグインメーカーの宣伝用ですが、ユーザ登録や無償ライセンスの申請は不要です。
  • 形式は Audio Unit と VST です。
  • プラグインなので単体では動作せず、ホストとなるソフト(具体的には DAW など)が必要です。Audacity では利用できません。
  • 無償の FFT プラグインとしてはかなり高機能で、ステレオだけでなくマルチチャンネルにも対応します。パラメータを細かく調整できるので、使いこなせば強力なツールに なります。ピークホールド付きレベルメーターやコリレーションメーターのほか、クリップカウント、ピークレベル、RMS の数値表示といった機能もあります。
  • Mac 版のほか、Windows 版もあります。

iSpectrum

  • 無償ソフトです。
  • 外部入力のみで、音声ファイルの解析はできません。
  • 解析ツールは、FFT、スペクトログラム、オシロスコープが揃っています。
  • 観察する周波数帯域の上限と下限を簡単に設定できます。
  • OS 10.9 Mavericks に対応済みです。

Spek

  • 無償ソフト(オープンソース:GPLv3)です。
  • 音声ファイルの解析のみに対応しています。
  • 音声ファイルの処理に FFmpeg を使っているので、FFmpeg が読み込める形式であれば何でも対応しています( DRM で保護されたファイル以外はほとんど全ての音声データを扱えます)。
  • 解析ツールはスペクトログラムのみです。
  • Mac 版のほか、Windows 版、Linux 版もあります。

Electroacoustics Toolbox

  • 有償ソフトですが、Mac App Store でも購入できます(→ Mac App Store リンク)。現在の価格は22800円とかなり高価ですが、内容はそれに見合ったものでしょう。
  • レベルメーター、FFT、スペクトログラム、オシロスコープなどの多種多様な解析ツールのほか、サイン波やホワイトノイズなどの信号発生機能も内蔵しています。
  • 特徴として、S/N比や高調波歪率の表示ができるようです。
  • OpenGL と Quartz を利用した美しい表示です。GPU パワーに余裕のある Mac の方が快適でしょう。
  • Audio Unit プラグインが利用できます。Generator カテゴリにも対応しているので、AUNetRecieve 経由で他のアプリケーションや、ネットワーク越しに他の Mac の音声出力を観察することもできそうです。
  • OS 10.9 Mavericks に対応済みです。
  • 一部機能制限付きで30日間の試用ができるようです。

SignalScope / SignalScope Pro

  • Electroacoustics Toolbox から一部の機能を外した下位バージョンです。いずれも Mac App Store で購入できます(→ SignalScope / SignalScope Pro)。
  • Pro の方は、Electroacoustics Toolbox と同様に AU の Generator カテゴリに対応しているので、AUNetRecieve を利用できます。また、プレーヤー機能を搭載しています。
  • ベーシック版は、外部入力の信号しか観察できないようです。
  • OS 10.9 Mavericks に対応済みです。
  • 一部機能制限付きで30日間の試用ができるようです。

Spectre / Spectre Starter

  • 有償ソフトですが、Mac App Store でも購入できます(→ Spectre / Spectre Starter)。
  • レベルメーター、FFT、スペクトログラム、オシロスコープなどの解析ツールのほか、VU メーターを備えています。
  • Starter 版は初心者/学生向けという位置づけですが、コリレーションメーターが省かれている点は若干注意が必要です。
  • OpenGL と Quartz による美しい表示です。
  • Audio Unit の Generator カテゴリに対応しているので、AUNetRecieve を使って他のアプリケーションやネットワーク越しの観察も可能です。
  • 若干気になったのは、表示速度を上げても FFT の反応が若干遅いように感じました。体感上、数10ミリ秒の遅延があります。

AudioTest

  • 様々な種類の音声信号を生成します。
  • シェアウェアですが、Mac App Store でも購入できます(→ Mac App Store リンク)。

SignalSuite

  • 様々な種類の音声信号を生成します。
  • 有償ソフトですが、Mac App Store でも購入できます(→ Mac App Store リンク)。
  • Audio Unit の Generator カテゴリに対応しており、プレーヤー機能を搭載しています。

その他

  • RME や MOTU のオーディオインターフェイスは、DSP 上にオーディオアナライザ機能を搭載しています。オーディオインターフェイスとしての性能も高いので、音響解析の目的で購入するのも1つでしょう。

オススメ

  • 録音済みの音声ファイルを分析したい
    • この場合は、Sonic Visualizer がイチオシです。レイヤー機能やラベルやマーカーを書き込めるのが非常に便利です。ただし、オシロスコープがないので、位相を見たりするのには向きません。他のソフトを併用する必要があります。
  • リアルタイムに音声を視覚化したい
    • 必要な機能と予算によりますが、SpectreSignalScope Pro が良いかと思います。AUNetRecieve が神で、AU プラグインに対応した他のソフトに AUNetSend を挿しておけば、これらのソフトが外部解析装置として機能します。ネットワーク越しの観察も可能です。
    • ホストとなるアプリケーション(DAW など)があるのであれば、SPAN も良いでしょう。FFT は小気味よく動き、かなり細かい設定も可能で、とても無償ソフトとは思えません。
  • 予算度外視で良いものが欲しい
    • Electroacoustics Toolbox が良いのではないでしょうか。高機能すぎて私には使いこなせそうにありませんが...
  • ちゃんとしたオーディオインターフェイスを持っていない
    • RME や MOTU のオーディオインターフェイスを購入するのが良いでしょう。スペクトログラムはありませんが、FFT とオシロは入っているので、リアルタイムの音響解析には十分役立ちます。
    • 内蔵の音声入力も使えますが、業務用として一般的なバランス信号を受け取ったり、測定用マイクを使ったりするには、オーディオインターフェイスが必要です。これらの製品を買えばプロレベルの音響解析機能が付いてくるので、これから始めるには好適です。

2013年11月20日水曜日

iTunes Store と Amazon MP3 の音質比較

近、CD は発売せずに iTunes Store や Amazon MP3 のみで楽曲を販売するアーティストが増えています。CD をプレスするのはコストがかかるので、「売り出し中」のアーティストの場合、こういったダウンロード販売で様子を見て、売れ行き好調なら本格的に CD デビューさせよう、ということなのかも知れません。あるいは、中間業者が減ってアーティスト自身の収入に直結しやすい、ということもあるかも知れません。

iTunes Store と Amazon MP3 は、いずれも DRM フリーで高音質をアピールしていますが、実際のところはどうなのか、後学のために両方で同じ楽曲を購入して比較してみました。なお、使い勝手( iTunes Store なら iPhone で便利などの)に関しては度外視して、純粋に音質だけ比較しています。

入した楽曲は、スウェーデンの新進メロディックメタルバンド Misth の Rise of a New Day です。いちおう Web Shop があって CD も販売しているようなのですが、あまりまともに機能しているフシがありません(所在地とか電話番号とかテキトーだし...)。米 Amazon.com を始め海外の通販も探しましたが、CD は入手困難のようです。

較方法は、
  1. ファイルサイズやエンコードの違いを比較する。
  2. スペクトラムとスペクトログラムで視覚的に比較する。
  3. 実際に聞いて、聴感により比較する。
という三段構えで行います。「2」は公正を期す意味とともに、一見して違いが分かりやすいためです。「3」は、「1」や「2」で明らかになった違い(あるいは顕著な差がないこと)が聴感に影響しているのかを確かめる意味とともに、何と言っても実際に聞いて心地よい方が偉い(?)ためです。

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Facebook でリアル友人から「先に聴感テストした方が良かったんじゃない?」とコメントをもらったので、少し補足を。

確かに、最初にデータや数値を見てしまうと「きっとこういう音だろう」と先入観を持ってしまう危険はあります。このようなバイアスを避ける最良の(そして唯一の)方法は、ブラインドテストです。つまり、今どちらのファイルを再生しているのか、聞く人には分からないようにしてテストすることです。

今回、私は1人でテストしているので、ブラインドテストができませんでした。どちらがどのような音かは分からないものの、どちらを聞いているかは明らかなので、少なくとも「違うものを聞いているというバイアス」は避けられません。また、どちらも圧縮されていると知っているので、「CDよりは劣るだろうというバイアス」も避けられません。


今回の比較は、どちらかというと技術的関心から行っています。すでに何らかのバイアスがかかっている私の聴感に基づく評価より、公明正大に客観的な比較をした方が良かろうという趣旨です。

純粋な聴感テスト(たとえば無圧縮と高ビットレートの圧縮で確実に聞き分けられるか)にも興味はあるので、これはこれで、いずれテストする機会を設けたいですね。
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1. ファイルの比較
iTunes Store で購入した楽曲ファイル(→ iTunes Store へのリンク。試聴できます)は、AAC 268kbps でした。公式には iTunes Plus は AAC 256kbps となっているので、これより若干ビットレートが高いことになります。可変ビットレート ( VBR ) を採用していることによる「ブレ」でしょう。価格は1曲当たり250円です。

正確なデータ量は、13,339,968バイトでした。

Amazon MP3 で購入した楽曲ファイル(→ Amazon.co.jp へのリンク。試聴できます)は、MP3 287kbpsでした。公式には 256kbps VBR となっているので、こちらも若干高いことになります。価格は1曲当たり150円ですが、Amazon.comでは $0.99 になっています(これに限らず、Amazon.com の方が全般に安いです)。

正確なデータ量は、13,914,535バイトでした。

2. スペクトラム、スペクトログラムの比較
まず、iTunes Store で購入したファイルです。ソフトは Sonic Visualizer を利用しました。上段が波形図、中段がスペクトラム、下段がスペクトログラムです。

スペクトラムは右へ行くほど周波数が高くなり、右端で約 20kHz です。カーソル位置(上段・下段の中央にある縦棒の位置)での周波数分布を表しています。その下部に鍵盤状のメモリがあり、中央付近の紫色の鍵盤が中央ハ(約 260Hz )です。灰色の鍵盤がオクターブ違いのハ音を示しています。

スペクトログラムは上へ行くほど周波数が高くなり、上端で約 20kHz です。横方向は波形図と一致していて、楽曲の25秒〜1分35秒にかけての周波数分布の変化を表しています。

これだけ見ると、低域から高域までスムーズに収録されており、不自然なところはほとんど見当たりません。そこで、参考までに、全く別のアーティスト Amaranthe の楽曲 Amaranthin のデータと比較してみましょう。こちらは CD から取り込んだ無圧縮のもので、ジャンルは同じく北欧系のメロディックメタルです。

マスタリング等が異なるので一概には言えませんが、比べてみると無圧縮との差は歴然としています。スペクトラムで見比べると、4kHz 前後まではほとんど差がありませんが、上の AAC のグラフでは 4〜6kHz 付近(紫色の鍵盤から数えて右に4つ目)でなだらかに減衰し、そこから 18kHz 付近まで一定で、20kHz にかけて減衰しているのが分かります。また、スペクトログラムで見ても、AAC の方は中高音の色が薄くなっているのが分かります。

次に、Amazon MP3 で購入したファイルです。

正直、ここまで差があるとは思いませんでした。4〜6kHz にかけていったん落ち込み、そこから 18kHz 付近まで一定している点は、iTunes Store の AAC と良く似ています。しかし、一見して明らかなように、その先がバッサリ切り落とされています。スペクトログラムの方に矢印を引いた通り、18kHz で完全に切れ落ちています。また、部分的に 16kHz で切れているのも分かります。

仔細に見ると、スペクトラムの「ヒゲ」の大きさや形も、微妙に違う部分があります。また、スペクトログラムの方で見ると、色の濃さという意味では、iTunes Store よりも Amazon MP3 の方が濃いように見えます。

+-----+ [2014/02/05改訂] +-----+
この意味を少し考えてみると、4kHz というのは人間の聴覚にとって1つの重要な基準になっています。1つは、アコースティック楽器の基音の最高音がおおむね 4kHz という点です。たとえばピアノの最高音の基音は、約 4200Hz です。また、日常生活における聴力という意味でも、4kHz は難聴の1つの指標になっています。このことから、圧縮する場合でも 4kHz まではできるだけ残しておくことが必要と判断されている、と推察できます。

→ 後日、 CD 相当のファイルと比較 したところ、4〜6kHz 付近の「棚」は制作段階から存在するもので、圧縮に伴うものではなさそうです。
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一方、人間の解剖学的な意味での可聴帯域の上限は 20kHz 程度と言われていますが、実際には 15〜16kHz 辺りで頭打ちになる人が多いようです。Amazon MP3 で 18kHz(場所によって 16kHz )以降がバッサリ切り捨てられているのは、これに基づくものでしょう。「大半の人に聞こえない音」なので潔く切り捨ててしまって、少しでも容量を削減したい(効率的に使いたい)という訳です。Amazon MP3 の方が、「色が付いている範囲では濃く見える」というのも、高域を切り捨てた分、より密度を上げられた結果だと推察できます。

3. 音を聞いてみる
上で視覚化して比べてみましたが、これだけでは実際の良し悪しは断定できません。結果的に、耳で聞いて心地よければ、スペックで劣っていても問題ありません。

iTunes Store の AAC は、聞き始めた瞬間に大人しい音だと感じます。刺々しさがなく、悪く言えば霞がかかったようなモヤモヤ感があり、良く言えば中音域の充実した芯のある音です。音場はさほど広くなく、少し箱庭的な雰囲気があります。

Amazon MP3 の方は、一転してメリハリのある音です。良く言えばクリアですが、むしろ音の終わりの減衰の仕方が不自然に聞こえます。スーッと消えていくのではなく、ある瞬間を境に忽然と消えてなくなるので不気味です。特に、シンバルなどの金物は壊滅的で、シンバルの種類の違いや叩く部分の違いが全く分かりません。音場は、広いというより左右に分離していて、空中分解している感じです。

ちなみに、上の YouTube の動画の音は、それぞれの「悪いとこ取り」みたいな音です。

4. 結論
Amazon MP3 も、それ単体で聞けば「聞けなくはない」音です。少なくとも、YouTube の音とは比較にならないほど良いと言えます。ポータブル用と割り切って、かつ、Android などの Apple のサービスが利用できない端末であれば、十分選択肢としてあり得ます。

しかし、今回の比較に関する限り、iTunes Plus の音には及ばないと言わざるを得ません。こちらも一聴して「ああ、圧縮された音だな」と分かるものですが、全体的にソツなくまとまっています。Amazon MP3 に比べて1曲当たり100円も高いですが、アルバム単位で買えば10曲1650円なので、あまり大きな差はありません( Amazon MP3 だと10曲1500円)。

どちらも不可逆圧縮なので音質を語るレベルではないと言ってしまえばそれまでですが、現実問題として CD がなくダウンロード販売のみというアーティストが増えているので、少しでも音質の良い方を選びたいところです。高音質というと e-onkyo music などの「ハイレゾ」を謳うダウンロード販売サイトもありますが、そもそも品揃えが悪すぎるので論外です。

今回の結果を踏まえて、今後ダウンロードで購入するときは基本的に iTunes Store を使っていくことにしますが、フォーマットに変化があったときは随時チェックしていこうと思います。

+-----+ [2014/02/05追記] +-----+
本文中でも書きましたが、後日、CD 相当の FLAC ファイルをダウンロード販売で購入して、再度比較し直しています。→ 「 続・iTunes Store と Amazon MP3 の音質比較
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2013年11月13日水曜日

USB端子の振動防止スペーサー

年の8月末頃から、オーディオケーブル類で有名な SAEC から USB-FIT なる製品が発売されています。いわく、「SAECのUSB-FITはUSB端子に取付け、少しでも振動を減少させ、音質を改善させます。USB-FITを取付る事でS/N比を改善させよりクリアな音をお楽しみ頂く事が出来ます。」だそうです。

ころで、考えてみればUSB 端子の隙間って機器やケーブルによって少しずつ違うはずです。 かなり狭いものもあれば、「これ、ちゃんと刺さってないんじゃない?」と思うほど空いてるものもありますね。USB-FIT は厚みが1種類なので、当然、使うことで差込みが浅くなるものも、使ってるのに隙間が残るものも出てくるはずです。しかも、使うのはせいぜい1個か2個、USB-FIT は10個入り( A 端子用、B 端子用が5個ずつ)なので、まず余るでしょう。

ゃあ作っちゃえという訳で、シリコーンシートやコルクシートで DIY してみました。

意するもの
  • 材料
    • 厚さ0.3〜1.0mm程度のコルクシートやゴムシートなど
    • 両面テープや万能接着剤
  • 工具
    • カッターナイフとハサミ
    • カッターマット
    • アルミ定規
  • あれば便利
    • ノギス
    • ルーペ

ちょっと補足。上の記述だけで要点が分かった人は読まなくてもOK。

材料は、ホームセンターや100均で手に入るもので良いでしょう。コルクシートは、コルクの一粒一粒が細かいものの方がベターです。目が粗いと加工の際に崩壊しやすいです。シリコーンゴムは接着性が悪い(普通の接着剤ではまず付きません)ので、適合する接着剤が入手できれば。

接着剤よりは両面テープをお勧めします。接着剤を薄く、均一に塗るのは結構難しいです。両面テープも様々ですが、一般的なアクリル系接着剤を使ったもので良いでしょう。基材(接着剤を塗る「芯」になっているテープ)も、紙や不織布よりアクリルの方が薄くなる傾向にあると思います。

カッターナイフは、細かい作業ができる刃厚の薄いものが良いです。定規は直線を切るときに使いますが、刃先が指の方に進まないように保護する意味もあります。木製定規はナイフの刃が引っかかって定規の上に乗り上げるので、かえって危険です。

細かい作業なので、ルーペ(手で持たずに固定できるもの)があれば便利です。厚みを測ったりするのにノギスを使えば、簡単で正確に測れます(0.1mmくらいの精度で十分。細かい目盛りを読むのが面倒ならデジタル式でも良いです)。

ってみる
0.5mmのシリコーンゴムシートです。今回のために買った訳ではなく、別の DIY 用に買った残りです。ネット通販を探せば、さまざまな色、厚さ、硬さのシートが売られています(このシートは、300mm * 300mmで1500円くらい)。USB ケーブルのプラグ部分は黒色が多いので、オレンジや緑、空色なんかを使うとワンポイントになってオシャレだと思います。白色のプラグなら紫なんかも良いかも?

これも同時買っていたシリコーンシート向けの両面テープです(300mm * 300mmで1000円くらい)。片方がシリコーン系接着剤、もう一方がアクリル系接着剤で、基本的にはシリコーンシートを金属やガラスに貼り付けるために使います。アクリル系接着剤の面を折り込んで、両面ともシリコーン系接着剤が出るようにして使いました。

シリコーンは、ほとんどの接着剤が使えません。むしろ、「接着剤で付かない」ことをメリットとして活用されています。シリコーンシートを使う場合は、こういったシリコーン用の両面テープか、シリコーンが接着できると明記された接着剤を使う必要があります。

いきなり出来上がり。現物合わせで、適当な厚みになるように重ね貼りして、適当に穴をあけるだけです。今回の A 端子の側は約1mmだったので、2枚貼り合わせてあります。

右は試作のコルクシート版。何か別の工作に使った1mmのシートの切れ端で、粒はやや粗めです。

ヒントと言うほどでもないですが、
  1. 材料は大きめに切って必要な厚さまで重ね貼りする。
  2. プラグの形、大きさに合わせて穴をあける。
  3. 外周を切って形を整える。
  4. 角を落とす。
という感じで作業すると良いでしょう。穴をあける際、必要な長さを一方向に切ろうとすると、ナイフの刃の角度の分だけ表面が長く切れる(裏面が短くなる)ので、真ん中で合流するように両端から切った方が良いです。幅が狭いので、コンマ数ミリ長く切っただけでも強度が落ちます。

こちらは B 端子側。今回は1.5〜2.0mmだったので、両面テープの厚み込みで3枚重ねにしてちょうど良いくらいでした。逆差し防止用の台形部分の加工が面倒ですが、ある程度沿うように作った方がしっかりします。

右は同じくコルクシートの試作品。たぶんダイソーで買った、片面に接着剤が付いたものです。上の A 端子用と比べてコルクの粒が若干細かいのが分かるでしょうか。2枚貼り合わせて約2mmにしてあります。便利なんですが、接着剤の質が悪いのか、ナイフの刃が驚くほどベタつきます...

使用例
MacBook Pro の USB ポートに刺さっています。2枚重ねになっているのが分かりますね。もともと噛み付きがしっかりしているので、あまり変わった感じはありませんが、遠目に見るとワンポイントになってオシャレ?です。

オーディオインターフェイス側。こちらは3枚重ねなのがさらによく分かります。B 端子はどの機器、ケーブルの組み合わせでも緩めで、ケーブルの重さに負けて斜めになってしまう場合が多いですが、スペーサーのおかげで真っすぐ刺さっています。

質は変わったのか?
個人的には、けっこう変わったと思いますね。試作品のコルクバージョンの方が明るい反面、低音のコシがなくなる感じ、シリコーンバージョンは悪く言えばちょっと抑圧感のある音、良く言えば角が取れて聞きやすい音です。素材を変えたり、厚みを最適化すれば、まだまだ改善の余地はありそうです。次はカーボンでも行っときますか。

静なって考えると、こんなもんで音質が変わるというのはプラシーボの可能性が高いです。まあ、そこは眉唾で実験してみるということで。騙されても100円ですからね。

かし、百歩譲って実際に音質が変わるとしても、振動が抑えられたのが理由とは限りません。振動を抑えるには機材とプラグの隙間に密着している必要がありますが、そうすると、何も付けていないときと比べて(ほんのわずかであっても)プラグが押し出されることになります。その結果、接点の接触状態も変わるでしょう。振動の抑制が唯一の理由とは言えません。

ちおう実験は成功?したので、時間を見つけて、素材を変えていろいろ試したいですね。カーボンも薄いシートならカッターナイフで切れそうなので、候補の1つです。セラミックも面白そうですが、加工が難しいかな。

+-----+ 追記 +-----+
でに発売前に自作してた人がいるのを発見。
[[ SAEC USB-FIT もどきを作ってみた ]]

+-----+ 追記2 +-----+
年前に購入して、あまり使ってなかった J1 Project の薄いシート(いまはラインナップになさそう)が見つかったので、切り刻んで作ってみました。パッと聞いたところでは、シリコーンにあったような抑圧感がなく、コルクほどパサパサした感じもなく、それでいて嫌みがなくて良い感じです。

の手の「制振グッズ」が余ってるなら、実験に使ってみても面白そうです。当たり前ですが、わざわざ買うようなもんじゃないです。もともと、サイズが1種類しかないのはおかしいし、効果も眉唾だから高い製品を買うんじゃなくて DIY で遊んでみよう、という趣旨なので、何1000円もするオーディオアクセサリを買うのは本末転倒です。

かし、あれですね。そのうち「カーボンで優れた制振効果を発揮!」とか、「制振合金を採用!」とか、「響きの良い貴重な材木を使って自然な響きを追求!」とか、怪しげな類似品が出てきそうですね・・・

2013年7月27日土曜日

Mac用の高音質プレーヤーに期待の新星: Vox

Mac用の高音質プレーヤーとしては、すでに Audirvana や Amarra などが有名になっています。また、 Mac App Store では BitPerfect 、 Fidelia 、 Decibel などが購入できます 。最も安い BitPerfect でも850円ですが、そこに風穴を開けるかもしれない期待の新星が現れたので、早速レビューします。

Vox は、基本的にはミニマルなインターフェイスを目指したプレーヤーソフトです。たったこれだけの超シンプルなインターフェイスですが、実はあまり期待していなかった音質面で、かなりイケてます。

このソフトの歴史を紹介しておくと、当初は2007年頃からフリーウェアとして配布されていた記憶があります。当時は、再生スピードやピッチを変えたり、リバーブなどのエフェクトをかけながら再生できる「シンプルで便利な」プレーヤーでした。配布サイトのアドレスが数年ごとに変わったり、バージョン0.2.7辺りでいったん開発が止まったかに見えたりと、必ずしも順調には見えませんでした。その後、0.3a(アルファ版)がリリースされ、Lion に対応したものの、Mountain Lion では上手く動作しなかったりして、しばらくこのソフトの存在は忘れていました。今回、0.99rc(リリース候補版)が突如現れ、高音質プレーヤーとして生まれ変わったようです。

初回は、ちょっとしたムービーが表示されます。
"Start" をクリックすると、Vox で再生するファイルの種類を設定する画面に変わります。ここで選択された種類の音声ファイルは、ダブルクリックしたときに Vox で再生されるようになります。
"Not Supported by iTunes" を選択すると左半分の FLAC から OGG までが、"All Audio Formats" を選択すると右端まで全部が対象になります。"Skip" を選べば飛ばせます。あとから設定することも可能です。

次はグローバルホットキー(他のソフトを使用中でも、ショートカットキーで Vox を操作する)の設定です。システム環境設定にインストールする Preference Pane をダウンロードするかどうか訪ねられます。必要なければ "Skip" しましょう。
これで設定ウィザードは終了です。"Play with VOX" をクリックするとプレーヤーが表示されます。ウィザードをやり直したい場合は、"Replay" をクリックすると最初に戻ります。
プレーヤーは素っ気ないですが、左下のアイコンをクリックするとプレイリストを表示できます。"iTunes Library" と表示されている通り、標準で iTunes のプレイリストを読み込むこともできます。
初期設定画面を見ると、いろいろできることが分かります。
"General" タブでは、Vox の一般的な動作を設定できます。だいたい意味は分かるでしょう。気づいた範囲では、"Stay on all spaces" が上手く機能しないようで、「チェックを入れた直後」はその通りに機能する一方で、いったん Vox を終了して機能し直すと機能しなくなる(チェックを外して入れ直すと機能する)ようです。
"Sources" タブにはこれと言って設定項目がありませんが、一定額を支払えばインターネットラジオも聞けるようです(未検証)。
"Audio" タブには、オーディオマニア御用達の機能が満載です。かいつまんで見ていくと...
  • Synchronize sample rate with application というのは、Vox が動作しているサンプリングレートに、オーディオデバイスの動作サンプリングレートを合わせる、という機能のようです。もちろん、デバイスが対応している 必要がありますが、たとえば44.1kHzと48kHzのファイルが混在していても、常にビットパーフェクトを期待できそうです。
  • Obtain exclusive access (hog mode) というのは、オーディオデバイスを Vox 専用に利用するということです。たとえば USB-DAC を繋いでいる場合、Vox で再生中の音楽は USB-DAC から再生され、他のソフトの音は内蔵オーディオから再生される、といった具合です。
  • BS2B というのは、"Bauer stereophonic-to-binaural" の略で、ヘッドフォンでステレオ再生する場合の頭内定位を改善する機能です。ヘッドフォンアンプで有名な "Chu Moy" タイプや "Jan Meyer" タイプなどがあります。
 ほかを飛ばして、"Labs" タブを見ると、一番下に "Load music file fully into memory"という項目があります。これは、音声ファイルを物理メモリに読み込む機能で、これも他の高音質プレーヤーソフトによく搭載されています。"Labs" というだけあって実験的な位置づけのようですが、16GBのメモリを積んだレティナMacBook Proでは特に問題なさそうです。

以上のほかに、Last.fm との連携、ショートカットキーの設定が可能です。

さて、注目の音質ですが、ぱっと聞いた感じでは Fidelia と同等か、やや劣るくらい、という印象です。低音の出方は Fidelia に似て弾むような感じですが、中高音はちょっと線が細く、シャリつくように思います。ベリーベストではないものの、BitPerfect よりは良いのではないでしょうか。

特に良いのは、これが 無料 だということです。同じく無料の Audirvana (free) は Mountain Lion では起動できないようなので、高音質プレーヤーの手始めに最適ではないでしょうか。

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Mac App Store でも配信されていますが 、現在、なぜかエラーが出てダウンロードできません。開発者サイトからはダウンロードできるので、当面、そちらを利用すれば良いでしょう。 現在は Mac App Store からダウンロードできるようになっています。

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その後、音が正常に出なくなるトラブルに見舞われましたが、設定を変えることで解決しました。 詳細はこちら

2013年7月8日月曜日

Mac Mini と MacBook Pro では音質が違う?

ややオカルトな話ですが、 Mac Mini (Mid 2011) と レティナMacBook Pro (Early 2013, 15") では音質が違うようです。

これまで、 Mac Mini は自宅用、 rMBP は外出用として使い分けてきたので横に並べて比較する機会がなかったのですが、ちょっとしたきっかけ(後述)で気になったので、聞き比べてみました。もちろん、使用したオーディオ I/F は、同じ Focusrite Forte で、再生ソフトも Fidelia 1.3.1 に統一してあります。再生したファイルも同じものです。 USB ケーブルも同じものを使っています。

結論から言うと、 rMBP の方が音質が良い ように思います。予想としては(特に根拠があった訳ではありませんが) Mac Mini の方が良さそうに思っていたので、これは意外でした。比べると、 Mac Mini の方はやや大雑把で細部が潰れる 印象があり、 rMBP の方が滑らかで解像度感が高く「静か」 な印象です。横に並べて聞き比べなければ分かりませんが、知ってしまうと気になります。マニアでない人にとってはほとんど違いが分からない(自称オーディオマニアでも分からない人は少なくなさそう)程度なので、問題ないと言えば問題ないのですが...

可能性としては、3つくらい考えられそうです。
  1. ただの思い込み(プラセボ)
  2. いわゆるジッタの差
  3. いわゆる「電源の質」の差
[1] について。今回、1台の Forte を繋ぎ換えて聞き比べているので、その間に数10秒の開きがあります。また、1人で実験しているので「いまどちらを聞いているのか」が分かってしまい、それらが心理的に影響している可能性は否定できません。

[2] について。 Mac 側の USB コントローラの違いやその電源周りなどの違いから、ジッタに差が出ている可能性があるでしょう。もっとも、これを検証する手段はない(個人ではジッタ測定器など買えないし、施設を借りるのも難しいし、いずれにせよ私には正確な知識・技術がない)ので、想像に過ぎません。

[3] について。今回、 Forte は USB バスパワーモードで使用しました(別の機会に書こうと思いますが、 AC アダプタを使うと音質が変わります)。このため、 Mac から供給される電源の質に差があって、これが影響していた可能性があります。もしこれが主な原因だとすると、
  • rMBP をバッテリで動作させているとき
  • バッテリ充電済みで AC アダプタで動作させているとき
  • バッテリ充電中
の3つでも音質が違う可能性はありそうです。

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今回、発端となったのは、 Fidelia をアップデートして音質が変わったように感じたこと です。先に rMBP の方をアップデートして「あれ、変わったかな?」と思ったので、バージョン1.2.1のままだった Mac Mini と聞き比べをして、1.3.1の方が良いという結論になりました。そこで、 Mac Mini の方も 1.3.1 にアップデートした訳ですが、そこで今度は「あれ、 Mac Mini と rMBP で違うかも」と気づいた次第です。

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さて、 もしこれが思い込み(プラセボ)ではないとすれば 、いろいろ問題が出てきます。

[1] まず、 Mac で PC オーディオ をやる場合、細かく言うと Mac 本体の選択も音質に影響する可能性がある、ということになります。 iMac や Mac Pro 分かりませんし、同じ Mac Mini でも 2010、2011、2012で差があるかも知れません。

[2] Mac を音楽制作に使う場合、レコーディング時に、記録されるデータに差が生じるかどうかは分かりません(おそらく変わらないと思います)。しかし、モニターする音には差が生じるということなので、結果的にミキシング、マスタリングに影響することは考えられます。

「知らない方が良かった」という類いの話で、実は単なる心理的問題という可能性も十分にありますが、なかなか楽しめる実験ではありました。

2013年6月26日水曜日

マウスを新調: Mad Catz R.A.T. 7

キーボードの買替え に合わせて、マウスも買い替えました。購入したのは Mad Catz が Cyborg ブランドで出している R.A.T. 7 Contagion です。もともと同社の R.A.T. 5 を使っていましたが、R.A.T. 7 の方が調整個所(可動範囲)が多いので、より手に馴染むものを、ということで買い替えました。

大してゲームをする訳ではありませんが、一般のマウスよりもゲーミングマウスの方が手に馴染むものが多いので、今回もゲーミングマウスの中から選ぶことにしました。

選考基準は、
  1. 自分の手に馴染むこと
  2. Mac 用のメーカー純正ドライバがあること
の2つです。2を前提とすると、
  • Mad Catz
  • Razer
  • Logicool
辺りが候補になりますが、Logicool はドライバが他のソフトと干渉することが多かった印象があります。ホイールのクリック感の有無を切り替えられるギミックは面白いですが、クリック感とセンサーの位置がズレていた(ホイールは1クリック分動いているのに画面上では反応がない、クリックとクリックの中間で反応があるなど)のも悪印象です。また、実際に触ってみても、サイドボタンなどのクリック感が良くないなど、細かい部分で雑な印象を受けます。

Razer はけっこう興味があったのですが、ほぼ全てのレビューで( Windows 環境でさえ)ドライバソフトの出来が良くない、という話が出ていたので、これはダメだなと。

結局、現在も使っていて、特別大きな不具合がない Mad Catz に落ち着きました。

 R.A.T. 7 Contagion は、従来の R.A.T. 7 が最高 5600DPI だったのを 6400DPI のセンサーにアップグレードし、 ツヤありホワイト 仕様にしたモデルのようです。右の R.A.T. 5 もそうですが、もともとマットブラックだったので、見た目のインパクトがあります。

マットホワイト仕様(ゴム塗装)の R.A.T. 7 Albino もあります。また、R.A.T. 7 もすぐ後に 6400DPI にアップグレードされています。

R.A.T. 7 以上のモデルでは、 右側面のパーツ が交換できます。写真はピンキーレスト(小指置き)タイプで、これが R.A.T. 7 を使いたかった理由の1つです。また、 パームレスト も交換でき、写真では標準より嵩の高いタイプに交換してあります。これら2ヶ所のパーツは、ゴムを貼った滑り止めタイプもあります。

ちょっと分かりにくいですが、親指を乗せる 左側面のパーツ も、R.A.T. 7 以上のモデルでは、角度と前後位置が調整できます。

「手が大きい」と言われることが多いのですが、測ってみると手のひらの大きさが11cmくらい、中指の長さが8.5cmくらい、親指の先から小指の先までが21cmくらいです。いわゆる「つまみ持ち」よりは「かぶせ持ち」派で、大柄で比較的重たいマウスが好みです。実は最も大きくした R.A.T. 7 でさえ小さいと感じるくらいですが、慣れの問題もあるでしょう。

写真には撮っていませんが、パームレストの下に を入れることができ、0g 〜 30g まで 6g 刻みで調整できます(6g の錘が5個付属)。今は3個入れていますが、これも少しずつ調整しなければ。

2013年6月24日月曜日

新しいキーボード: Realforce 86U を購入

すでに数日経ちましたが、キーボードとマウスを新調しました。

キーボードは、鉄板の1つ 東プレ Realforce 86U (SE0500) です。 Majestouch 茶軸 (FKB104M/EB) から買い替えました。Majestouch も1万円クラスのキーボードとしては鉄板ですが、購入当初からチャタリングが気になっていました。

まず、買替えに当たっての条件は、
  1. ASCII 配列 (US配列) であること
  2. 打鍵感が良く、チャタリングの不安がないこと
  3. テンキーは、ない方が良いが、あってもやむを得ない
  4. 右 Windows キーは、あった方が望ましい
と決めました。 JIS 配列は嫌い なので、1は絶対です。また、買替えの動機がチャタリングなので、2も絶対に外せません。テンキーは、あれば使いますが、なくても大して困らないので、省スペース優先でない方がベターです。

Mac で PC 用キーボードを使う場合、Windows キーが Command キーとして認識されますが、私は「システム環境設定」で Windows キーを Optionキーに、Alt キーを Command キーに割り当てています。これまで、右 Option キー(すなわち右 Windows キー)は、ことえりと US の入力切換えに使ってきたので、あった方が良いですが、これは慣れの問題なので何とかなると判断しました。

結果的に、条件を満たしつつ、入手性がそれなりに良いものとなると、
  • Realforce 86U
  • Realforce 87U(B)
  • Happy Hacking Keyboad Professional 2
  • Happy Hacking Keyboad Professional Type-S
くらいしか見当たりません。 HHKB Pro 2 はすでに持っている ので、静電容量式の本家である Realfoce の方がベターです。87U(B) は右 Windows キーがあるのでベストですが、割高感があるので 86U に落ち着きました。ヨドバシカメラマルチメディア京都で18,700円(10%ポイント還元なので実質16,830円)でした。

HHKB Pro 2 との打鍵感の違いは見聞きしていましたが、確かにけっこう違います。1つは、HHKB Pro 2 は全鍵45gなのに対して、Realforce 86U は一部が30gに設定されていることが理由でしょう。また、HHKB Pro 2 は持ち運びを想定して軽量化が図られ、薄いプラスチックの筐体の中に基盤が入っているだけですが、Realforce 86U では筐体のプラスチック自体も分厚いように見え、さらに鉄板が入っています。

多少の好き嫌いはあるでしょうが、Realforce は 良い意味で普通 のキーボードと言えるでしょう。高級キーボードの代名詞として、趣味性の高いデバイスとして紹介されることが多いようですが、むしろ「標準的なキーボードはこうあるべき」という姿を追求した、 磨き抜かれた普通 なのだと思います。

確かに、パソコンを買えばキーボードが付属していたり、数100円、あるいは数1000円で様々なキーボードが売られていますが、やはり気に入らない人も少なくない訳です。一方で、Realforce に不満を漏らす人は、そう多くはないでしょう。決して安くはありませんが、誰が使っても大きな不満が出ないというのは、まさに「普通」なのです。

趣味性の高いキーボードというのは、たとえば Kinesis のキーボード のような「合う人には合うけど、合わない人には合わない」ものです。配列もさることながら、こういった「エルゴノミクス」は人間が1人1人体格が違うことを度外視しているので、「とことん合わない人」も出てきてしまいます。

Realforce は、「標準的なキーボード」という範囲の中で可能な限り品質を高め、誰が使っても良いと感じられるところを目指したキーボードでしょう。

2013年6月21日金曜日

Fidelia 1.3.1

Mac App Store で Fidelia の最新バージョン 1.3.1 の頒布が始まっています。

今回のアップデートの内容は、
  • より向上したオーディオシステム
  • レティナディスプレイのサポートの改善
  • FHX のアップデート
  • パフォーマンスと信頼性の大幅な改善
となっています。

早速アップデートしましたが、ぱっと聞く感じでは、従来よりも 全体的に大人しい音になった 印象です。オーディオ的な言い方をすれば、ノイズフロアが下がって刺々しさがなくなった、と言えば良いでしょうか。悪く言えば、ガッツがなくなって、ステージから一歩遠ざかったような感じもあります。

もともと Fidelia の音は ちょっと派手め という印象でしたが、その派手さがなくなったように思います。100Hz 辺りから下を 1.5dB くらいカットしたような、モニタースピーカーで言えば Bass 側を1段階落としたような、けっこう大きな変化です。

思いのほか音質の変化が大きかった というのが正直なところで、良くなった/悪くなったというより、驚きの方が先に来ています。明らかに悪くなったという感じではありませんが、最初のインパクトが落ち着いてからでないと、良し悪しの判断はできなさそうです。

ヘッドフォンプロセッサーの FHX は、 購入したもののあまり使っていないので 比較が難しいですが、やはり曲を選ぶ印象は残っています。クラシックなどは比較的自然にかかりますが、ポップスではない方がマシで、そのクラシックに関しても細部が潰れてしまうので、やはり4300円出して追加購入するほどの価値はないように感じます。

2013年3月30日土曜日

二条駅前の桜が満開だったので

JR二条駅東口のロータリーにあるしだれ桜が満開だったので、写真に収めてみました。さすがに昼間なので植え込みの周りで休憩されてる方もいたので、若干不自然な修正が入っています。

アップでも1枚。

いまいち映えないのは腕前のせいです。

MacBook Pro Retina 15" (Early 2013) のシェルケース

 MacBook Pro Retina 15" (Early 2013) を購入 して1ヶ月ほど経ちました。いままで裸のまま使ってきましたが、毎日持ち運ぶようになったので、傷の防止のためにシェルケース(シェルカバー)を購入しました。

ところが、これが思わぬ事態に発展。

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当初購入したのは、 moshi の「 iGlaze Pro 15 R ステルスブラック 」です。京都のヨドバシカメラで6480円でした。この手のカバーとしては高価な方ですが、マットな質感で手触りも良く、納得できるものに思えました。一見すると真っ黒なのに、ディスプレイ点灯時にはアップルのロゴマークが透けて見えるのがシャレオツです。

......と思いきや、上手く嵌まらないことが判明。特にディスプレイ側が酷くて、 左右の寸法がミリ単位で足りない ような状況でした。30分ほど悪戦苦闘した末に、ディスプレイを傷つけそうで怖くなったので諦めて、交換に行くはめに。ヨドバシでの対応は良く、店頭在庫の同製品をその場で開封して試してくれた訳ですが、これまた入らない。

moshi 製品のすべてがそうだとは言いませんが、値段の割に品質は高くないようです。少なくとも、 私は2度と買わないでしょう

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似たような製品は他社からも何種類か発売されていますが、個人的には ツルツルテカテカ のカバーは眼中にありませんでした。精悍さが失われてオモチャっぽくなってしまい、少なくとも MacBook Pro には合わないと思った訳です( Air ならあるいは...)。

Apple Store では Speck の「 SmartShell Stain 」という製品が販売されていて、これもヨドバシにありました。ラバーコーティングで表面の手触りは良いものの、 使っている人が多そう に思えたので意図的に避けました(天の邪鬼なんです)。


そうなると、 ツルツルテカテカですが パワーサポートの「 エアージャケット 」くらいしか店頭にはありません。返金してもらっても良かったんですが、下調べの段階で他にめぼしい製品も見当たらなかったので、やむなく差額を払ってこちらに交換してもらいました。せめて...と思ってクリアブラックの方を選びました。

パワーサポートはわりと古くからあるアクセサリメーカーで、これまでもトラックパッドフィルムやノートパソコン台「 スパルタかます 」を使ってきて品質は信頼してましたが、さすがは Made in Japan です。

フラッシュのせいで白飛びしてますが、全景。当初はツルツルテカテカなんて...と思ってましたが、仕上がってみるとなかなかイイ(・∀・) 遠目から見ると 最初からそういう Mac なんじゃないか と思えるほどです。かつてあった 白黒 MacBook をクリア素材で作った 感じ? もちろん、ディスプレイ点灯中はアップルのロゴマークが透けて見えます。

寸分の隙間もないほどピッタリと嵌まっています。むしろピッタリすぎて嵌め込むのに難儀しましたが、 moshi のように「精度が悪くて嵌まらなさそう」というのではなくて、「精度が高すぎてキツキツ」という印象だったので、イライラすることもなく、希望を持って作業できました。フチ部分にも浮きがなく、本体にピッタリと密着しています。

一部、残念なところがない訳ではありませんが、まあ許容範囲内でしょう。左右とも、ほんのわずかに浮いています。長さが若干短いのは仕様のようです。

この出っ張りは要らないような... 何かに引っ掛けてポッキリ逝きそうです。

吸盤式のゴム足が付属しています。ポロポロ剥がれ落ちるほど軟弱ではなく、意外にしっかりと吸着しています。ただ、これ自体はそれほどクオリティが高くありません。

これは予想外でした。たぶん、ピッタリと密着していることや、ケース自体がハデに自己主張しないので、全体として一体感が感じられるからでしょう。

不満というほどでもないですが、やはり表面が滑りやすくて、鞄に入れたりするために下に向けるとツツゥーと滑り落ちそうな怖さがあります。また、当然と言えば当然ですが、放熱が悪くなって CPU・GPU・メモリなどの温度がアイドル時で2〜3度ほど上がっています。高負荷時の温度上昇も早くなったように思います。

ともあれ、紆余曲折はありましたが、結果的には満足のいく買い物になりました。

2013年2月27日水曜日

MacBook Pro 15 インチ Retina ディスプレイモデル (Early 2013) 購入

先日マイナーアップデートされたばかりの MacBook Pro 15インチ Retina ディスプレイモデル を購入しました。発表直後の2月15日の夜に注文し、24日の午前に到着しました。上位モデルの SSD 容量を512GBにアップし、USキーボードに交換したため、少々時間がかかりました。
シンプルで薄い化粧箱です。最近はシンプルな、あるいはスタイリッシュな化粧箱を使うメーカーも増えてきましたが、やはりアップル製品の水準は高いですね。
蓋を開けるとすぐに本体がお目見えします。
本体の下には電源アダプタなどのアクセサリが納められています。
付属品はたったこれだけです。電源アダプタと付け替え用の延長コード、クリーニングクロス、リンゴのシール、PCリサイクル券などです。
本体は厚みが1.8cmと非常に薄くなっています。現在の薄型ノートパソコンの代表である Ultrabook では、14インチ以上では厚さ21mm以下、14インチ未満では18mm以下ですから、15インチで1.8cmというのはかなり頑張った数字です。なおかつ、バッテリ駆動時間は公称7時間なので、上手くすれば日帰り出張の間もたせることも可能でしょう。
右はこれまで4年あまりにわたって活躍してくれた MacBook (Late 2008) です。照明が映り込んでいますが、それにしてもディスプレイの黒さの違いに驚かされます。

買い替えの動機は、この MacBook の不調でした。最近、ディスプレイスリープから復旧しない、トラックパッドの反応が悪くなるときがあるといった症状が出始めていて、さすがに4年間、毎日朝から晩までこき使われてくたびれてきたのでしょう。この MacBook は、 メモリを増設したりSSD に交換したり 、バッテリも交換したり、かなり手を入れて使ってきたので愛着があります。完全に壊れるまで家でまったり使うか、不具合が表面化する前に下取りに出してしまうか、悩みどころです。

とりあえず、今日はここまで。

2013年2月9日土曜日

パイロットの ELABO が人気のようで...

最近、パイロットの万年筆 ELABO が人気のようです。

ブログのアクセス解析を見ていると去年(2012年)の1月に書いた ELABO に関する記事 がずいぶんアクセス数が多いようで、一体何事かと思ってたんですが、今日、万年筆好きの友人から「 ELABO って知ってる? 人気らしいね」と言われて、なるほどと思った次第です。

調べてみると、確かに多くの通販サイトで軸色、字幅を問わず品切れとなっているようです。すごいですね。僕が買ったときは、全然そういう感じでもなかったと思うんですが...

ただ、確かに面白い万年筆ではあるんですが、良くも悪くもクセが強いので、何となく一過性のブームという気がしないではありません。俗に「柔らかいペン先」と言われている万年筆より数段柔らかく、ふにゃふにゃと言っても良いくらいなので、ボールペン慣れした人だとペン先が開きすぎると思います。すでに万年筆を常用している人でも、フェザータッチくらいに筆圧をかけない書き方でないと難しいでしょう。

1文字1文字、とめ、はね、はらいを意識して丁寧に書くには向いていますが、会議の際にメモを取るような殴り書きだとフワフワしすぎるでしょう。達筆な人なら「弘法筆を択ばず」かも知れませんが...

それはともかく、いくら品質の安定したパイロットとはいえ、個体差は無視できません。同じ字幅でも1本1本の書き味は異なりますし、1人1人の書き癖も違うので引っかかりを感じたりすることも少なくありません。1本ずつ検品・調整して販売している店なら試し書きしなくても大きな問題はないかも知れませんが、そうでなければ、供給が安定してから店頭で試し書きをした上で選んだ方が良いと思いますよ。

2013年2月1日金曜日

Forcusrite Forte をもう少しレビュー

先日から使い始めた Forte の音が良い感じなので、もう少し詳しくレビューを。

ブツを受け取ったのが 26日 (土) の夜で、それからずっと使い続けてますが、当初よりも音が良くなったように思います。全体的にまとまりが出てきたというか、音と音の間の美味しい部分(?)が出てきた感じです。厚みが増したとも言えるんだけど、ただそれだけじゃない、みたいな。

高音は、シャープで抜けが良く、クリアです。僕の場合、民生用も含めて、「クリアと評される音」はたいていキツいだけでザラザラした音に聞こえるんですが、 Forte の高音は艶があって滑らかです。音の立ち上がりや余韻が心地よく、ギターやピアノ、パーカッションなどに良く合いそうです。これは、ぜひ録音してみたいですね。

そういえば、プロモーションビデオではシンプルにピアノ、ボーカル、チェロだけを素材にしてるんですが、ひょっとするとそういう意図で作ったんでしょうか。

低音は、どちらかと言えば控えめな量感だと思いますが、この数日の間に多少増えてきたようにも感じるので、まだ変わるかも知れません。質感はあまり変化がなく、コリッとした感じです。あまりボリューム感があるとローエンドの伸びが分かりにくくなるので、モニターのことを考えると良い傾向でしょう。スピーカーで喩えると、バスレフではなくて良くできた密閉箱という感じです。

俗な言い方をすると「モニター的」といった表現になるのかも知れませんが、仏頂面という意味ではありません(仏さんの表情はけっこう豊かなんですけどね。まあそれはいいとして)。躍動感があって、押さえ込んだような息苦しさは感じません。

そういえば、 Audiofanzine のレビュー記事 では、録音の音質は Metric Halo ULN-8 と比較してもかなり良い、と書いてますね。マイクプリの残留ノイズも、 Apogee Duet 2 には及ばないものの ULN-8 と互角のようなので、やはりかなり優秀です。流される訳じゃないですが、こういうのを見るとちょっと嬉しくなりますね。

2013年1月28日月曜日

Focusrite Forte 購入

Fireface UC の後釜をどうしようかと 考えていましたが( 12 )、結局 Focusrite のフラッグシップ Forte を購入しました( 国内代理店はこちら )。

Forte というネーミングは、1980年代に一世を風靡したレコーディングスタジオ向けのコンソール "Forté" との繋がりを暗示(明示?)します。2-in / 4-out で拡張性のないコンパクトなインターフェイスに、このような伝説的な製品名を付けてくるあたり、 Focusrite の本気具合がひしひしと感じられるじゃないですか。

化粧箱は、アップル製品を思わせるスタイリッシュなものです。箱の各面には、実寸大の本体の写真がプリントされています。背面は特徴やスペックの記載のみで、さすがに裏面の写真はありませんでした。

本体は、実際に持ってみると大きさから想像するよりも軽い、という印象を受けます。公称 467g なので、ペットボトル1本分よりちょっと軽いくらいですが、金属的な外観が重量のありそうな雰囲気を出しているからでしょうか。

ケースはアルミニウムで、裏面以外には継ぎ目がなく、滑らかです。継ぎ目の隙間は MacBook Air / Pro のようにピッタリではなく、目測で 1mm くらいは空いています。ディスプレイ付近のプラスチックは、隙間なくピッタリとはまっています。

よく比較される Apogee Duet 2 は、実機を持っていないので厳密な比較はできませんが、 Forte の方が若干大振りなようです。もっとも、 Duet 2 はインプットもアウトプットもブレイクアウトケーブルが必要ですが、 Forte は本体にアウトプットがあります。プレイバックだけならブレイクアウトケーブルが不要なので、荷物が1つ減るのは良いですね。

あまり紹介されていないようですが、右側面の後ろ寄りにケンジントンロックの穴が空いています。

 OLED のディスプレイは発色が良く、反応も早く、良い感じです。4つのタッチボタンを長押しするとサブメニューが表れ、ノブの回転とクリックで各種の機能(たとえばミュートや Dim )を ON / OFF できます。

ドライバと一緒にインストールされる Forte Control も、一覧性が良くて迷うところがありません。ピークホールド時間やサンプリングレートの変更も、このソフトから可能です。

肝心の音質は、とりあえずプレイバックのみですが、さすがは Focusrite の新しいフラッグシップという印象です。これまで使っていた Saffire Pro 24 DSP に比べて、クリアで艶やかな音です。「艶やか」というのがミソで、これこそ Fireface UC を手放すきっかけだったので、アテが外れなくて良かったです。(音質ではなく)音色だけで見ると Fireface UC より Saffire Pro 24 DSP の方が(もっと言えば Saffire 6 USB でさえ)良かったので、 Focusrite に対する信頼度はもともと高かったんですが、 Forte だと音質も Fireface UC を超えていると感じます。

ま、判官贔屓かも知れませんけど。

電源アダプタを使わないと、ラインアウトとヘッドフォンアウトの出力レベルが -18dBFS までに制限され、ファントム電源も利用できなくなりますが、ヘッドフォンアウトの最大出力が 30mW/150Ω しかないので、スタジオ向けの高インピーダンス、低能率のヘッドフォンだと、電源アダプタなしでは若干音量不足になるかもしれません。

この -18dBFS までというのは、かなり思い切った判断です。英断と言っても良いでしょう。モバイル型の I/F である以上バスパワー対応も必要、でも音質のことを考えると無理な省電力化は避けたい、というギリギリのラインなのだと思います。電源アダプタは小型ですが、 5V/3000mA もあるので、 Forte がフルパワーを発揮するには 15W 近い電力が必要ってことですよね。モバイル型としては桁違いに大食漢なんじゃないでしょうか。 RME Babyface は 10-in / 12-out で DSP エフェクトまで付いてバスパワーなので、 2-in / 4-out の Forte と比較するとここまで違うものかと驚きます。

Duet 2 との比較で、「ファントム電源を使うのに電源アダプタが要るんじゃ意味ないじゃん」という趣旨の意見を目にしますが、無理に省電力化して音質が犠牲になったのでは本末転倒ですしね。もちろん、 Duet 2 はバスパワーであの音なので、絶対に無理という訳でもないんでしょうが。

ちなみに、開梱当初、バスパワーで上手く動作しない不具合がありましたが、どうも USB ポートの電源供給能力の問題のようです。バスパワーモードのときは 500mA 目一杯まで使っているようで、ハブ経由で他の USB デバイスと共用するのはもちろん、別のポートでも内部的に同一系統だと供給能力が不足するようです。

今回も アールズの大傍さん に相談しました。話が行ったり来たりでご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで大変満足しております。ありがとうございました。

2013年1月11日金曜日

[速報] Focusrite の新しいオーディオ I/F:Scarlett 18i20

Focusrite が新しいオーディオ I/F として Scarlett 18i20 を発表しています。これはイケてますよ!
Scarlett 18i20 の写真。出典: Focusrite 社ニュースページ

Scarlett シリーズの最上位機種として18入力・20出力を備えており、Saffire Pro 40 の USB 版と考えて良さそうですが、ワードクロック出力も有するなどスタジオの中核に据えることのできる多機能ぶりです。

主な機能として、
  • 18入力
    • アナログ入力8チャンネル
      • 全てに Focusrite マイクプリアンプ搭載
      • 全てライン入力として利用可能なコンボジャック
      • うち2つはギター入力対応
    • ADAT 入力1系統( SMUX 対応)
    • S/PDIF 入力1系統
  • 20出力
    • バランス型ラインアウト8チャンネル
    • バランス型モニターアウト2チャンネル
    • ADAT 出力1系統
    • S/PDIF 出力1系統
  • 独立した2系統のヘッドフォン出力
    • ヘッドフォン1はラインアウト7/8連動
    • ヘッドフォン2はラインアウト9/10連動
  • 最大 24bit/96kHz
  • USB 2.0
  • ドライバなしで iOS 機器で利用可能
  • ワードクロック出力1系統
  • MIDI 入出力
などが紹介されています。スタンドアロン動作が可能かどうかは分かりませんが、Scarlett シリーズはもともと不可能なので、この機種でも不可能かも知れません。

ボディは、Scarlett 2i2 や 2i4 と同じく真っ赤なアルミ製です。フロントパネルは多少プラスチック感が漂っていて、こちらはカジュアルな印象を受けます。ラックマウントが可能で 1U サイズですが、この刺激的なアルミボディを隠してしまうのはもったいないですね。

以前書いた通り 、現在オーディオ I/F の買い替えを検討していて、 Forte もかなり本気っぽいのですが、いかんせん拡張性が皆無なのが気がかりでした。いずれシリーズの上位機種が出てくることを期待してますが、この Scarlett 18i20 は NAMM 2013 でのお披露目に先立っての発表のようなので、しばらくは他に新しいオーディオ I/F を出してくることはないと踏んでいます。

まだ、 ハイ・レゾリューション には製品情報が上がっていませんが、同時に発表された Scarlett Studio はすでに製品情報ページができているので、きっと国内でも取扱いがあるでしょう。海外を見ていると400ポンド以下といった情報もあるので、国内だと6万円弱でしょうか。

2013年1月6日日曜日

FURMAN PL-8C J

新たに導入した FURMAN PL-8C J が良い感じです。

FURMAN の電源ディストリビューターはこれまでも M-8x2 を使っていましたが、M-8x2 がやや曇った音になるのに対して、PL-8C J の方は一皮剥けた印象です。中高音のヌケが良くなり、低音も粒立ちがハッキリしました。

また、PL-8C J の導入によって、これまで使っていた電源タップを2個減らすことができました。これまで、モニタースピーカーの電源は壁コンセントから Belden の 電源タップ PS1850 を経由していましたが、 これを排除できたのは小さくなさそうです。この電源タップ、やはり Belden らしい色づけがあって、悪く言えば雑な音になる傾向があります。これを止めて、PL-8C J から電源をとるようになって、一気にフツーの音に近づきました。

もう1つ減らせたタップは、外付け HDD 4台に電源を供給していたサンワサプライの安いスイッチ付きです。これまで M-8x2 からこのタップを経由していたのを、M-8x2 から直に取れるようになりました。

しかし、こうやって PL-8C J の音を知ってしまうと、もうオーディオ用としては M-8x2 には戻れませんなぁ...

2013年1月4日金曜日

2012年を振り返る & 2013年を考える - オーディオ編

明けましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりありがとうございました。本年も宜しくお願いいたします。

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2012年のオーディオ

忙しくてしばらく更新できなかった間に、多少動きがありました。

まず、1年半ほどの間使ってきた RME の Fireface UC を処分しました。9月16日に アールズ にお邪魔していろいろ実験したのですが、いろいろやってみても Focusrite の Saffire 6 USB の方が良いという結論に至ったためです。

Fireface UC は、クラシック音楽のレコーディングでも使われているほど定評のあるもので、実際、悪いものではありませんでした。特に、よく言われるドライバの安定性は実感できるもので、OS のアップデートに対する対応もかなり早く、安心して使える製品だと思います。ただ、音楽性という点で見ると、どうも線が細くて、暗いというか湿っぽい音になる印象がありました。

対して、Saffire 6 USB(と家では Saffire Pro 24 DSP も使っています)は、精緻さを感じられないのは値段なりとしても、色彩感や音の深みという点で Fireface UC よりも好印象でした。実験では、これが確信に変わってしまい、使い続ける魅力をあまり感じなくなってしまった訳です。

これと同時に、PreSonus Monitor Station も処分しました。Saffire Pro 24 DSP は、Fireface UC よりも小音量まで調整でき、フロントパネルに Mute / Dim スイッチが付いているので、モニターコントローラなしでも問題ありません。

そのほか、ケーブル類をちょこちょこ変えたりしました。

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2013年のオーディオの目論見

年明け早々ですが、ラックを自作することにしました。サイズは、12U で奥行き 360mm を予定しています。15mm のシナ合板で作れば、全部込みで 7000 円程度で収まりそうです。Mac 関係の話題も含みますが、音響機材とパソコン周辺機器(外付け HDD など)を整理したい、というのが動機です。すでに部材などは発注しているので、近々製作しようと思います。

2つめに、ラック製作と合わせてパワーディストリビュータを1つ追加する予定です。これも発注済みで、FURMAN の PL-8C J にしました。TASCAM からも 新製品 がアナウンスされていますが、すでに M-8x2 を使っていて特に不満がなかったこと、TASCAM の方はライトの形状が気に食わなかったことなどから、今回も FURMAN を選びました。これまたオーディオに限った話ではなく、 以前から 部屋の電源環境を整理したいと思っていたのをようやく実行に移したものです。

3つめに、Fireface UC を処分してしまった結果、オーディオ I/F を選び直しています。Saffire 6 USB は拡張性がなく、Saffire Pro 24 DSP は FireWire だけなので、Mac から FireWire が省かれつつある現状では先行きに不安があります。

ただ、なかなか良いものがありません。アールズにも相談していて、要望としては、
  1. 本体のマイク入力が2つ
  2. それとは別にライン入力が最低4つ
  3. ライン出力が4つ以上
  4. ADAT 入出力
  5. MIDI 入出力はあった方が良い
  6. USB 又は FW / USB ハイブリッド
  7. 予算は、できれば6万円程度、最大10万円くらいまで
といった感じなのですが、なかなか全部を満たすものがないのです。RME の製品は、仕様は全部満たしているものの、音質面で不満が残ります。Focusrite の Scarlett シリーズも仕様面では条件を満たしますが、せっかく買い替えるならグレードの高いものにしたいので...

そうすると MOTU が残ります。MOTU は子ども時代から憧れのあったブランドで、Mac の DTM を支えてきた歴史もあり、印象としては悪くありません。828Mk3 Hybrid を買っておけば長く使えそうです。

もう1つは、予算オーバーな点、拡張性が微妙な点、モバイル性が良くないことがやや不満ですが、Apogee の新製品 Quartet です。ラックマウントできないのは、モニターコントローラ代わりにもなることを考慮すればそれほど欠点ではありません。ただ、いちばん不愉快なのが、あまりに Mac べったり過ぎるところです。デザインまで Mac に似せてくる辺りが、何となく、他社との競争を放棄して Mac のブランドバリューに乗っかってる、ミーハーな印象を受けます。同じ Mac 専用だと、Metric Halo の方が硬派で実直な感じで好印象ですね。

それ以外でオーディオ関係というと、スピーカーを作り直したいところです。今のスピーカーのドライバは全部 SEAS 製で、ツイーターが Millenium 、ウーファーが L18/RNX ですが、どうもこのツイーターが曲者のように感じます。恐ろしく低歪みで優秀なツイーターであるのは間違いないのですが、どことなく音がまったりする傾向にある気がします。もうちょっとキレのある音が欲しい... 同じ SEAS なら Magnum 辺りに交換したいところです。でも、ウーファーも W18EX に交換したいので、そうすると片手じゃ足りないんですよねぇ。

新年早々、物欲ばっかりだな...