2010年8月14日土曜日

TASCAMからUSBオーディオI/Fの新製品が登場

TEAC の業務用オーディオ機器ブランド TASCAM から、USB2.0対応のオーディオI/Fとして US-800 が発売されることになったらしい。発売予定日は今月下旬、価格はオープンプライスとのことだが、 サウンドハウスでは24,800円 となっている。

US-800は、すでに Winter NAMM 2010 で 発表されていた ものの、価格・発売日ともに未定となっていた新製品。8IN/6OUTで、うち6INがXRL/TRSコンボジャックでマイクプリを内蔵、残る2INがS/PDIFとなっている。出力側は、ラインL/Rで2OUT、ヘッドフォンで2OUT、S/PDIFで2OUTという内訳のようだ。上位機種としては US-2000 があり、こちらは16IN/4OUTで8マイクプリなので、その機能限定版と考えれば分かりやすい。電源はACアダプタで、バスパワー動作はできない。消費電力が9.0Wだから、これは仕方ないところだろう。なにげにDSPミキサも内蔵していて、本体の8INとDAWからの6リターンを2OUTにまとめることができる。

個人的には、ライン出力が -10dBV なのがやや不満だ。+4dBuのバランス出力だと良かったんだけれど... 欲をいえばあと2OUT増やして、DSPミキサも4OUT(あるいはヘッドフォン出力も独立させて6OUT)だと隙がなくなるのに、と思う。その仕様でも、3万円くらいなら安い方じゃなかろうか。

2010年8月9日月曜日

何でも聞きゃあ良いってモンじゃない

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海(ダイヤモンド社・2009年)を読んで。

「マネジメントにおいては、マーケティングとイノベーションが重要」。

確かに、その通りだとは思う。イノベーションの方はとりあえず措くとしても、マーケティング、つまり「顧客が何を求めているか」を問うことは、何事においても出発点だ。ここでいう「顧客」とは、「相手」と言い換えても良いかも知れない。

ただ、だからといって、「あなたは私に何を求めているのですか?」とストレートに問うことだけがマーケティングではない。たとえば、 iPod はポータブルオーディオの世界に革命を起こしたし、それは周到なマーケティングの結果だろう。しかし、それは何も誰かが「私は、パソコンで簡単に楽曲の管理ができて、ネットで手軽に音楽が買えて、ホイールで操作できて、鏡面仕上げのステンレスのカバーが付いたプレーヤーが欲しい」などと要求したからではない。

そうではなくて、使いやすい楽曲管理ソフトがあれば消費者は喜ぶだろう、ネット通販の時代なんだから楽曲データを通販すればウケるだろう、ホイールで操作するのは斬新なうえに使いやすいんじゃないか、美しい外観は購買意欲をそそり満足度も高くなるだろう、という洞察がモノをいうのだ。そして、「これが新しい『価値』です。あなたも一歩先を行きましょう!」と提案しなければならない。

もし、顧客の言うがままになってしまったら、それはもはやマーケティングとはいえない。それは、「市場の開拓」ではなくて、単なる自動販売機だ。市場が潜在的に求めているものを掘り起こすことが求められているのであって、「何でもかんでも客に聞きゃあ良い」というのは、誤解だろう。

その「掘り起こしたもの」を顧客に示すのは、自分の役割だ。それが正鵠を射ていたなら商品は売れるし、見込み違いなら売れない。それは結果の問題であり、その責任はもっぱら自分が負うべきもので、客に「あなたが言ったはずなのに買ってくれないなんて!」と責任を転嫁するのはお門違いだ。

しかるに、「顧客が何を求めているか」を「顧客自身に問うこと」は、マーケティングの責任を顧客に転嫁していることに他ならない。

僕は経営学の専門家ではないから、ひょっとすると重大な間違いを含んでいるかも知れない。でも、「何でも聞きゃあ良いってモンじゃない」というのは、たぶん、間違ってはいないだろう。