2009年2月13日金曜日

光るバラ

出身高校の定期演奏会が近づいてきた。いまだに、毎年、様々な形で関わらせていただけるのはありがたいことだが、今年の依頼はけっこう難しい内容だ。

顧問からのリクエストは、「光るバラの花を宙に浮かせたい」とのこと。

考えなければならない点を洗い出してみると、だいたい以下の通りだ。
  1. 光源をどうするか
  2. 電源をどうするか
  3. 造形をどうするか
それぞれ相関関係にあるが、まず「光らせたい」という以上、何らかの形で光源が必要になる。あまり電力を食ったり、発熱したりするのは問題だし、中高生にも扱いやすいものを作るとなると、やはりLEDがいちばんだろう。

電源は、宙に浮かせるなら電池だが、ON/OFFが利かないのと、1時間以上は安定して光量を保ってほしいので、100VからACアダプタで取る方が確実だ。文字通り「浮かせる」のは技術的にも難しいから、黒い台の上に生けるような格好にするのが良いところだろう。

花弁、茎、葉を光らせようと思うと、LEDでまず問題になるのは、どうやって全体に光を拡散させるか、ということだ。ホールに置くのだから、遠くからでもハッキリ見えることが必要だし、舞台の照明はかなり明るいから、それなりの光量も確保したい。いわゆる高輝度LEDは、レンズで光を中心に集めることで光量を稼いでいるから、拡散させるとそれほど明るくないものが多い。

ところで、LEDは、定電流で使うのが原則だ。LEDは、順方向電圧降下を超えると急激に電流が流れだすが、定格電流を超えると急激に寿命が縮んでしまうし、破壊に至ることもある。だから、常に順方向電圧降下より大きな電圧をかけつつ、電流は一定以下に制限しなければならない。

参考になりそうな例をネットで漁っていると、LM317を定電流で使う方法が見つかった。Vout-adj間に生じる1.25Vを抵抗にかけて定電流特性を得る、という訳だ。他の作例を調べてみると、トランジスタによるカレントミラーを組み合わせたものがあったので、これもそのまま採用する。

光量を調整しやすいように、LM317による定電流回路は、固定抵抗と可変抵抗とを組み合わせた。R1が68オーム、VR1が200オームなので、最大で約18.4mA、最小で約4.66mAということになる。

カレントミラーが安定動作するためにエミッタ抵抗に0.8 - 1.0Vくらいは食わせたい。18.4mA時にエミッタ抵抗両端に0.8Vが生じるためには、約43オームということになる。もっとも、4.66mA時には約170オームが必要になるが、これだと18.4mA時には3.2V近くの電圧がかかってしまい、LEDに割ける電圧が極端に下がってしまう。

Q1はダイオード接続なので、コレクタ・エミッタ間は0.6V、エミッタ抵抗に0.8V、LM317のOut-adj間が1.25V、In-Out間が最低3.0Vなので、0.6+0.8+1.25+3.0=5.65Vとなり、電源電圧12Vだと6Vほど余裕ができるから、VR1 - Q1間にパイロットランプを入れても良い。

被制御系は、Q2 (Q3) に0.6V、エミッタ抵抗に0.8Vなので、合計10V強までならLEDを駆動できる。逆に、LEDにかける電圧が少ないと、その残り全部をトランジスタと抵抗で受け持たないといけないので、発熱が多くなってしまう。公称1.9V程度の赤色なら5個、公称3.2Vの緑色なら3個くらい、というところだ。

さて、最大の問題は、これを活かせるバラの造形ができるか、というところだが・・・

2009年2月1日日曜日

Seas T25CF002 (E0011) Millennium

Seas は、いわずと知れたノルウェーのハイエンドユニットのマニュファクチャラー。

このツイーター、T25CF002 は、Excelシリーズに属する。北米価格で約200USD/1Unit、国内価格で約55000円(ペア)程度なので、非常に高価なツイーターだ。

これは、麻布オーディオの今年の福袋(3万円)に入ってきたもので、通常価格を考えると非常にお買い得だった。が、今度はこれに合わせるウーファーの選定に難儀するという...

もちろん、金に糸目を付けないなら、同じExcelのW18EX001辺りが良いのだろうけれど、国内で買うと1個で3万円近くになってしまう。海外でも160USD/1個くらいなので、送料・手数料を考えるとほぼ同額だろう。

しかも、周波数特性だけを考えると、PrestigeシリーズのL18RNX/P (H1224) の方が優れている。W18EX001 (E0017) は、5kHzに強烈なピークがあるが、H1224だと7kHzにあるので、ネットワークを単純化できそうなのだ。H1224だと、1個で13000円程度なので、コストパフォーマンスも良いだろう。

H1224を合わせる場合、12litter〜18litter程度のバスレフ型にすると良さそうだ。

Usher KSW2-5029E

Usher Audio は、スピーカー設計者として有名なDr. D'Appolitoを顧問に迎えて、1970年代からスピーカーユニットの設計・生産を行っている台湾のマニュファクチャラー。欧米のハイエンドメーカーのOEMを幅広く手がけていて、技術力の高さと品質で定評がある。

KSW2-5029Eは、振動板にポリプロピレンを採用した廉価なウーファーで、同社の完成品スピーカーS-520シリーズにも使われている。1個たったの2980円。控えめなフェイズプラグ付き。

ぱっと見ではSeasのウーファーによく似ている。プアマンズSeasといった趣だ。

このユニットは、麻布オーディオの今年の福袋(3万円)に入ってきたものだ。 ツイーターが T25CF002 (E0011) だったので 、これはオマケ的な位置づけなのだろう。

ダンパーには、息抜き用の穴はついていない。マグネットは、もちろんこの値段なのでフェライト磁石だが、防磁型になっていて、意外と重たい。

カタログスペックでは、Fs: 56Hz、Vas: 9.8litter、Qts: 0.362とあるので、このユニットもバスレフ向きだろう。計算上は、容積7litter、ポート共振周波数60Hz程度でベストということになる。

値段は安いが、もともと台湾製は安いし、S-520シリーズの評判もなかなか良いので、期待して良いのではないだろうか。

Fountek FR88-EX

Fountek Electronics は、上海に、2003年4月に設立されたスピーカーユニットのマニュファクチャラーで、主にリボンツイーターで知られていた。

FR88-EXは、 "Proudly Made in China" でちょっと有名な(?)フルレンジユニットだが、実際のところ、あまり作例は見かけない。国内価格12000円(ペア)程度と、8cmフルレンジとしてはかなり高価な部類に入る。

スペックを見ると、Vas: 1.286litter、Qts: 0.552とあるので、バスレフ向きだろう。計算上は、容積約3.6litter、ポート共振周波数70Hz程度がベストのようだ。

裏返すと、右の写真のようになっている。ダンパーの裏側は全体的に空気が抜ける構造になっているが、隙間は狭い。このユニットは端子が半田メッキになっているが、現在は金メッキ品が流通しているようだ。

マグネットはネオジウム磁石だが、内磁型ではない(防磁型ではない)。マグネットは、熱収縮チューブとおぼしきものでカバーされている。

フレーム外周・内周とネジ穴の間隔が狭い上に、端子が大きく飛び出しているので、フロントバッフルの穴あけは慎重に行う必要がありそうだ。Fostex、TangBand、Hi-Vi Researchなどの8cmユニットとは、開口径・ネジ穴位置ともに異なるので、専用に箱を作る必要がある。

上記の通り、防磁型ではないので、デスクトップスピーカーとして使う場合には、パソコンや周辺機器の近くに置かないように注意が必要だろう。

まだ音を聞くことができていないが、わざわざマッチドペアとして出荷しているくらいなのだから、それなりに良い音がするんじゃないかと期待している。

むしゃくしゃしてやった。今は反省している。

正月から試験期間中の物欲の数々.....


詳細は、それぞれのエントリで。

Fountek FR88-EX
Usher KSW2-5029E
Seas T25CF002 (E0011) Millennium