2008年2月4日月曜日

エンブリヲ

久々にきつい漫画を読んだ。小川幸辰(おがわ・こうしん)作の『エンブリヲ』。エンターブレイン BEAM COMIX レーベルから1・2巻が同時発売、3巻は2月25日発売とある(出版社のページは こちら )。もともとアフタヌーンに連載されていて、アフタヌーンKCで単行本化されていたものの再版版のようだ。

内容的には、作品紹介そのものだが、有り体にいえば グロい のひと言につきる。映画好きの人には、ヒッチコックの『鳥 ( The Birds ) 』のムシ版だといえば分かりよいかも知れない。『鳥』というのは、ある日突然、町中の鳥(カラスとかスズメとか)が群を成して人間に襲いかかるというパニック映画の代表作だ。

しかし、実際のプロットはだいぶ違う。『鳥』では、「敵」は日常生活の中に溶け込んでいる鳥たちで、なぜ人間を襲うのか分からない。『エンブリヲ』では、「敵」は新種の虫(カブトムシとかバッタとかの類いではなくて、イモムシ系のミテクレなので、そういう意味でダメな人も多そうだ)で、人間を利用して種を繁栄させようという意図がある。

また、テーマ的には、『風の谷のナウシカ』に通じるものがあるようにも思う。ただ、『ナウシカ(特にTV版)』ではあまり表面化されていなかった部分に、真正面から当たっているような感覚も受ける。表面的に見れば『虫愛づる姫君』ともいえそうだ。

ただ、なんというか、最初に グロい といっておきながら、実はかなり 美しい 話なのかも知れない。絵のタッチが繊細で描写が緻密というのもあって、表面的な怖さ・グロテスクさに慣れてしまうと、内面的な深さが良く伝わってくるような気がする。なぜ 美しい とさえ思えるのかは、まだ僕自身のなかで消化不良になっている部分もあって説明できないけれど。

ともかく、第3巻の発売が待ち遠しい。

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