2006年12月13日水曜日

ファイル共有ソフトの開発・提供・アップデートは犯罪か

詳細は下記のリンクをご参照願いたい。

asahi.comの記事
http://www.asahi.com/national/update/1213/TKY200612130126.html
http://www.asahi.com/national/update/1213/OSK200612130046.html

NIKKEI.NETの記事
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061213AT1G1300Y13122006.html

裁判所のウェブサイトにはまだ判決速報は掲載されていないようなので、法律的な部分についてはまだ検討していない。

ただ、求刑懲役1年に対して言渡しが罰金150万円というのは、京都地裁もだいぶ頑張った(際どい線を突いた)のではないかと思ったり。金子氏の罪状は著作権侵害幇助罪と記憶している。幇助犯は従犯なので(刑62条1項)、正犯の刑が軽減される(刑63条)。著作権侵害罪は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科なので(著作119条1号)、求刑も割合軽いものといえるが、さらに罰金刑で済ませるあたり、かなり微妙な判断といえそうだ。
有期懲役は1月以上20年以下なので(刑12条1項)、罰金刑で済ませたというのは、かなり軽減したといえる。一方で、罰金刑は1万円以上なので(刑15条)、150万円というのは(一大学助手にとっては)少ないとはいえない。
これだけを見ると、「懲役を科すと新技術の開発が萎縮する。しかし、著作権侵害行為が横行する蓋然性が極めて高いことを認識しながら(あるいはし得たのに )Winnyを提供し、アップデートを繰り返した点については、ある程度の制裁が必要。(よって、侵害が発生するのを、当人に可能な範囲で防止するよう努めていれば、処罰しない。)」というバランス感覚のようにも思える。

処罰することの是非については、微妙ではあるが、裁判所による事実認定をしっかり読み込まないといけない。この手の議論を見るにつけ、多くがただの感情論になっているように見受けられる(判決文さえ読んでないように見えるものもある)。問題を提起するのは結構だし、私自身そうするだろうが、まずは裁判所のいっていることを正しく理解することが必要である。

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